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【越境EC】チャットの返信が爆速!動画で見る、中国最大のECモール『天猫(TMALL)』アプリで中国の方による買い物の様子

サムネイル先日『BtoC ECのアプリのインターフェースを比較してみる(楽天市場・Amazon.co.jp・Qoo10・天猫)』という記事内で、実際に中国在住の中国人の方に天猫(TMALL)のアプリで買い物をしてもらったと紹介しました。その時のダイジェスト動画を公開します。

調査概要

  • 天猫(TMALL)のAndroidアプリにて
  • 日本からの越境ECに利用される『天猫国际』ではなく、中国国内用の方を利用
  • オフィスのデスク周りに置きたい商品を探し、実際に購入する

特徴的な部分を抜き出したダイジェスト動画を作成しましたので、こちらからご覧ください(音声あり)。

 

天猫(TMALL)アプリの主な特徴

今回のおかいもの研究室の観点から見る天猫(TMALL)アプリを使う様子から発見した、主な特徴です。

  • 商品の評価(レビュー)は、商品ごとに分類方法が変わる(年齢・性別などで固定されていない)
  • バリエーション(SKU)の選択は、カート追加ボタンを押してから行う
  • 気になる商品があったら、検索結果で画像を長押しして似た画像で検索する
  • 商品検索したキーワードに合わせて絞り込み条件が変わる(材質や形状など)
  • 決済ステップからショップページへ簡単に戻れる
  • 商品名が簡単にコピーできる(範囲選択の必要なし)
  • 店舗とチャットができる(最短2.7秒で返信あり!)
  • とは言え、全体を通しての大きな買い物の流れはそれほど違いはない

 

商品ごとに分類方法が変わる評価(レビュー)

楽天市場やAmazon.co.jpのアプリでは、商品にどれだけ評価(レビュー)が付いていてもおおよそ固定化された軸(年齢や評価の高さなど)でしか分類ができません。しかし、天猫(TMALL)では商品ごとに評価の分類の仕方が変わります

下記は万年筆の評価ですが、『全部 / 追加 / 画像有 / ラッピングが良い / サービスがいい / 品質がいい / 人群(?) / 発送が早い / ペンが良い / デザインが良い / 書き味がいい』と分類されており、他に商品ではまた違う分類がされています。

天猫(TMALL)_商品ごとに分類方法が変わる評価

なお、評価はネガティブな点が自分にも当てはまるかどうかを確認するために見る、といった意見がユーザーテストの中でよく聞かれます。

上記の例ではポジティブな軸で分類されていますが、ネガティブな軸でも分類されるようになると、利便性が高まりそうに感じます。

 

SKUの選択はカート追加ボタンを押した後

日本で見かけるECサイトは、色や素材・形状などのバリエーションを持つ商品をカートに追加する際、先にバリエーションを選択してからカートに追加するのが一般的です。天猫(TMALL)は、『カートに追加する』ボタンを押した後にバリエーションを選択するようになっています。下記記の画像は、『カートに追加する』ボタンを押した直後の画面です。

天猫(TMALL)_SKUの選択はカート追加ボタンの後

どちらが良いかを言及するデータは無いのですが、天猫(TMALL)の方式はバリエーションの存在を見落としにくいと考えられます。

上記の画面で選択肢を変更すると、内容に応じて商品画像や金額が変わるため、色が分からず前の画面に戻る・あとで金額が違うことに気付く、といったことも起こりにくくなっています。

下記のような選択肢の表示は、急いでいたりするような場合には目に留まりにくそうに感じます。気付かずにカートに追加してしまったら、その商品を削除した上で再び商品ページ戻る必要があります。

天猫(TMALL)_SKUの選択はカート追加ボタンの後_02

 

検索結果から画像検索

日本でも、写真を選択もしくは撮影して画像検索ができるアプリは見かけますが、天猫(TMALL)は検索結果の画像を長押しすることで、その画像を検索用の画像として使うことができます。

この機能によって、「この商品に似た物を見たいな…」と思い立ったらすぐに行動に移すことが可能になります。

天猫(TMALL)_検索結果から画像検索

Amazon.co.jpやQoo10のアプリには、キーワード検索ボックスの隣にカメラのアイコンが設置されています。ここから写真を撮影したり、画像をアップロードすることができるようになっていますが、現物があるもしくは画像が保存されている必要があります。

天猫(TMALL)_検索結果から画像検索_amazon
天猫(TMALL)_検索結果から画像検索_qoo10

 

商品検索したキーワードに合わせて絞り込み条件が変わる(材質や形状など)

こちらも評価(レビュー)同様に、検索したキーワードに合わせ絞り込み条件が変化する機能です。

上記の画像では『フォトフレーム』をキーワード検索し条件を絞り込もうとしている画面です。画面右側には『形状』『寸法』『材質』といった、フォトフレームならではの絞り込み条件が表示されています。隠れた箇所には、価格帯やブランドを指定する項目等も隠れています。

天猫(TMALL)_検索したキーワードに合わせた絞り込み条件

天猫(TMALL)もそうだと思うのですが、楽天市場などのテナント型の大手ECモールは、取扱商品が非常に多く、理想的な商品を探し出すのが大変なことがあります。この検索キーワードに合わせて最適な検索条件を指定できる機能を使えば、複数の条件指定により、比較する商品をぐっと絞り込むことができそうです。

他にも「スマートフォン用のケースがほしいんだけど、素材とか形状とかは良くわからない…」といった方にとっても、非常に便利な機能ではないでしょうか。

下記の楽天市場アプリの絞り込み条件を見ると、考え方の違いを感じます。

天猫(TMALL)_検索したキーワードに合わせた絞り込み条件_02

 

決済ステップからショップページへ戻れる

ECサイトのデザイナーとして働いていた頃、『決済ステップ内は離脱を防ぐために余計なリンクは全て外せ』と教えられてきました。

下の画像は、天猫(TMALL)の決済ステップです。左上の目立つ箇所に、ショップページへ戻ることができるリンクが設置されています。チャットによるショップへの質問に対する回答を待ちながら、決済に必要な情報を先に入力しておくという場面で、この後被験者さんはチャットを確認するためショップの画面に戻ります。

天猫(TMALL)_決済ステップからショップページへ戻れる

そのようなコンテキストも考慮された結果、ショップページへ戻るリンクを設置することになったのかもしれません。

 

商品名が簡単にコピーできる

本当に細かい機能ですが、商品ページで商品名を長押しすると、商品名全体コピーができる『吹き出し』が表示されます

「え、そんなこと?」と思われるかもしれませんが、楽天市場・Amazon.co.jp・Yahoo!ショッピング・Qoo10のアプリでは簡単にはコピーができません。少なくとも私のiPhone SE上では、Amazon.co.jpとYahoo!ショッピングは範囲を選択する必要があり、楽天市場とQoo10はコピー自体が不可能です。

天猫(TMALL)_商品名が簡単にコピーできる

上記の画像は、チャットにてショップに質問をしたところ「どの商品ですか?」と聞かれ、商品名全てをコピーし送信しようとしている場面です。商品名全てを送信できれば認識違いも起こりにくく、一瞬でコピーできる機能は手間を考えても利便性が高いはずです。

 

店舗とチャットができる

天猫(TMALL)にはアプリ自体にチャット機能が組み込まれています。「中国はチャットの文化だ」などと私の周りでは聞かれたりしますが、日本国内でもチャットができるサイトが少しずつ増えてきたように思います。

参考にすべきはレスポンスの良さです。今回の調査に限らず個人的にも下手な中国語で複数の店舗にチャットを投げてみましたが、すべての店舗から、1分以内程度を目安に必ず返信が貰えました。早いところでは3秒以内、8秒以内というところもありました。

チャットボットを導入している可能性も考えられますが、調べるより聞いたほうが早そうな内容であれば、積極的にチャットを使いたいという人が日本でも増えてくるのではないでしょうか。

天猫(TMALL)_店舗とチャットができる

100人アンケート:興味津々!問い合わせするなら電話?ネット? - NIFTY BIZという調査の中では、『電話は急いでいるときや直接話たいときに使い、ネットの問い合わせフォームはそれほど急ぎではないが確実に返答がほしいときに使う。その中間にあるのが、チャットでの問い合わせ。便利です。(50代/女性/契約派遣社員)』というコメントがありました。

自店舗のユーザーにとって最適な問い合わせ手段を見つけるために、チャットも候補に上げて調査する価値はあるのではないでしょうか。

 

とは言え、全体の買い物の流れはそれほど違わない

前述のようにユーザーインターフェースにはいくつかの特徴が見られましたが、大きな買い物の流れはそれほど違わないという印象です。

キーワード検索 → 一覧で商品を比較 → 特に気になる商品はページをチェック → 評価をチェック → 良さそうなものが気になったら決済、という流れは日本でも同じだと思います。

 

まとめ

このように天猫(TMALL)のユーザーインターフェースを見てきましたが、日本では見かけないにも関わらずどのように機能するかは想像がしやすいものが中心でした。

ネットショップのサイトをデザインしていると、ついトレンドを追いかけたくなったり、古典的な(もしくは古臭い)インターフェースを避けようとしたりしてしまいますが、ユーザーが正しく使えることが最優先されるべきです。

  • トレンドのインターフェース…どこでトレンドになっているのか?商品を買ってくれるユーザーにとっても同じようにトレンドなのか?
  • 古典的なインターフェース…逆にユーザーが使い慣れているとは考えられないか?下手に避けることで逆に混乱させないか?

そういった点についても細かな配慮が行き届いたインターフェースが、天猫(TMALL)には採用されているように感じます。

 

元々この調査は、越境ECを攻略するためのヒントが何か隠れていないかと思って実施したのですが、越境ECに限らず日本のネットショップをどのように作っていくかのヒントも、少なからず隠れている気がします。

 

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