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おかいもの研究室の誕生ストーリー:BtoB企業にUX組織を作った話

ブログ

おかいもの研究室の柏木です。

「おかいもの研究室」はASPカートシステム「CARTSTARプロジェクト」を進める中で誕生しました。そして「CARTSTAR」のリリースと同時に「おかいもの研究室」という名前も世に出しました。2017年1月27日は「おかいもの研究室」が世に出てから1年目なのです。

1周年の振り返りのために、その誕生までの軌跡を柏木視点でまとめました。

全てのはじまり

私は、2015年8月に転籍にてNHNテコラスに合流しました。それまではNHN PlayArtにてゲームプラットフォームの企画を担当しており、EC事業経験年数は極めて短い人材でした。そんな私がCARTSTARというASPカートシステム(ネットショップ構築)を、気がつけばプロジェクトマネージャーという立場で転籍半年後にリリースせよ。という特命ミッションを頂きました。

NHNテコラス合流直後

CARTSTARのプロジェクトに合流したときの印象は、メンバーはEC経験値も情熱も高いのですが、開発的な思考(良い機能があれば売れる)が強すぎて、マーケティングの視点が弱く、結果としてプロダクトとしての強み・優位性がぼんやりしていました。そこで私はまず「現状の課題を洗い出し整理、プロダクトの強みと優位性の方向性を改めて提案する」ことから始めました。

製品を理解するためにASPカート市場を理解する

そもそもASPネットショップ構築システムについて詳しくないので、まずASPカート市場はなんぞや?という極めて初歩的かつ素朴な疑問を解決することからはじめました。製品をマーケティング視点から見ました。

  • 自社製品と他社ASPカートの比較
  • 疑問点を洗い出し周辺の人に確認(開発、企画、営業、CSなどなど)
  • 上記をまとめたものを客観的に見るため外部のECコンサルタントの方に確認

そして理解した事は、

  • どの会社のASPカートの市場(マーケット)へのメッセージは「機能」と「実績」が中心。
  • どの会社のASPカートも機能的な大きな差異はない。機能の同質化がかなりのレベルで進んでいる。
  • ネットショップ市場(特に本店、独自ドメイン)は成熟しはじめており、店舗様は独自性を出したいという意識が高い。ただし独自性はデザインが中心。
  • 「かんたんに!」と言う事が結構重要。「かんたんに!」は色々な視点でバラバラ。

マーケティングのテーマは『機能至上主義からの脱却』

私は機能重視での戦いは難しいと即判断しました。例えば新機能で勝負しても他社も直ぐに追いつきます。また競合としている他社はNHNテコラスより何年も前から開発をスタートしており、機能の充実度(≒機能数)では中々追いつくのは難しいからです。そこで私は「機能至上主義からの脱却」をまずマーケティングのテーマの1つとしました。

そして転籍後、1ヶ月位で当初はプロジェクトのファシリテーターというポジションから、プロジェクトマネージャーというポジションに変わりました。

製品開発とマーケティングテーマの間で行ったり来たり

製品開発にとって重要(そうな)事を絞り込み、マーケティングのテーマをザックリと決めたので次はどのように両者をバランスよく横断させ、なおかつ「成長の仕組みを組み込む」ことができるのか?を考えました。もちろん仮設検証が高速で回せるようにデータを取れることは重要です。

図にするとこんな感じ、かっこよく言うと、グロースハック的な思考

growth-hack

機能至上主義からの脱却ため「おかいもの研究室」という部活が誕生
BtoB企業にUX思考の文化を作る挑戦の始まり。

ユーザーの行動から意思決定するというプロセスを割りと強引に導入しました。

競合は機能の充実度を押してくる。弊社も同じ戦いをしている(いた)。
つまり「機能至上主義からの脱却」は、製品開発とマーケティングの間には結構大きな溝を作ります。

BtoBからBtoBtoCへの意識改革は、簡単ではありません。そこで私は消費者を研究する「おかいもの研究室」という言葉を作りました。意図は分かりやすい名前を作ることで社内への意識改革を進めるためです。この言葉によって数人の仲間が集まりました。第一号はおかいもの研究室の清水です。(清水からは洗脳された!と言われています。)

おかいもの研究室の社内浸透、3つのポイント

  1. 「おかいもの研究室」という名称が大事でした。
    カッコよくすると「UXラボ」とか「消費者行動研究所」とかでしょうか。
    でもこの類の言葉を使ったら「上から目線」に見えるので社内で溝を深くするだけです。とにかくイメージしやすく。警戒されないことが大事でした。
  2. 人間中心設計専門家の力を存分に借りユーザテストを沢山やりました。(外からの力は重要。)その結果をプロジェクトメンバーに共有することで、製品開発とマーケティングの溝を埋めていきました。(ユーザテストの社内担当は、おかいもの研究室の清水に全て任せました。まぁ「委ねる」ですが、当時の私としては清水の成長を期待してのカケ(博打)でした。そして私は博打に勝ったのです。)
    ※業務を依頼した人間中心設計専門家は非常に優秀です。
  3. テスト結果は、社外の方(業界では名の通ったECコンサルタント)にも見て頂きました。意識して巻き込みました。その方は非常に面白がって頂き、積極的に社内メンバーや役員、当時の弊社代表にまで「おかいもの研究室」のプロダクトの作り方とコンセプトは面白い!と言って頂きました。(言ってくださいと頼みました。)名の通ったECコンサルタントの客観的な声は非常に有効でした。

 部活から公式のサービス名称へ

 とにかく言い続けました。そして真面目に愚直に消費者行動をプロダクトに適応することをやりました。
公開している具体的な流れはこちら
『おかいもの研究室が作った食品ギフトECサイト』の記事
結果として、CARTSTARのリリース時には1つの目玉(つまり他社との差別化要因として)会社からの正式なプレスリリースにも「おかいもの研究室」という名称を世に出すことができました。
ただしCARTSTARのプロジェクトマネジメントがメイン業務なのでそのバランスには気を使いました。
以下プレスリリース抜粋

 独自研究から生み出した業種別デザインで売上アップを支援するネットショップ構築プラットフォーム「CARTSTAR」の提供を開始

消費者行動を調査・研究する「おかいもの研究室」を新設立

インターネット事業会社のNHN テコラス株式会社(所在地:東京都新宿区、代表取締役社長:稲積 憲)は、業種ごとに最適化した標準デザインを準備することで簡単に導入でき、かつ売上アップを支援するネットショップ構築プラットフォーム「CARTSTAR(カートスター)」の提供を開始することをお知らせします。また、“消費者ファースト”を実現するため、お客様の行動を理解し、調査・研究を行う「おかいもの研究室」も設立します。

プレスリリースはこちら


 2016年7月「おかいもの研究室」は正式化へ

その後は、しばらくは柏木も清水もCARTSTARの業務が中心でした。
しかし「おかいもの研究室」は社外(特にメディア)からの反応が良いので、2016年4月15日に組織として独立が決まりました。
そして以下のミッションを頂きました。
6月1日にサービスメニューを公開してください。(1ヶ月半で準備しろと・・・。しかもGW挟むぞ・・・。)
7月1日からは事業化(お金儲けしなさい。売上目標もつけるからね・・・。)
柏木と清水はGW前後から「おかいもの研究室」に力を注ぐのでした。
その後の動きは殆ど本ブログに掲載しております。
興味が有る方は是非お読みください。
また「おかいもの研究室」では具体的な仕事が無くても、色々と話をする場を設けております。とりあえず話してみたいぞ!って方は遠慮なく。「UX組織の社内浸透の方法は?」「ユーザテストの意味は?」「アイトラッキング触ってみたい」辺りの話を弊社ではやっております。
それでは、2年目もよろしくお願いします。
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