『ユーザーテスト』に対して、サイトの運営者が誤解しがちな3つのこと

中小ネットショップ様向けに『ユーザーテスト』の存在や価値を知って頂く活動をしている私ですが、特に伝えるのが難しく誤解されてしまいがちと感じる事をまとめます。

目次

誤解1:ユーザーテスト=ユーザビリティのテストである
誤解2:ユーザーテストは専門家に任せておけば大丈夫
誤解3:ユーザーテストの結果はサイトの作りにフィードバックする

誤解1:ユーザーテスト=ユーザビリティのテストである

経験上、『ユーザーテスト』という言葉からは『サイトのユーザビリティのテスト』が連想されがちであるように感じます。かく言う私もそう思っていた時期がありましたが、ユーザーテストの可能性はそこだけに留まりません。

実際に、ユーザーテストによってサイトのインターフェースをアドバイス無く利用できるかのユーザビリティテストを実施することもあります。

しかし、被験者さんには「自由に情報収集してみてください」「競合サイトで商品を探してみてください」といったように、サイト外のタスクも依頼でき、『検索行動の中では、得られた情報に満足してもサイトからは直帰する』『情報収集しているうちに優先的に調べたいことが変化してくる』『サイト内のたった数行のキャッチが大きな判断材料となる』といった、ユーザビリティに限らない重要な行動パターンが見えてくることがあります。

ユーザーの検索行動やお買い物行動の自然な一連の流れの中で、ユーザビリティの課題が見つかる可能性も秘めている、と捉えておくと良いと思います。

誤解2:ユーザーテストは専門家に任せておけば大丈夫

ユーザーテストは『タスク設計』が肝です。タスク設計を間違えると、ターゲットとしていない属性の被験者さんに調査を依頼してしまったり、ニーズのない利用方法の効果検証をしてしまったりして、調査が無駄になることがあります。

ユーザーテストを行う前には、どんなユーザーに、どんな価値を提供しようとしているサイトなのか、ということを定義する必要があります。本当はとてもこだわって作られた美味しいお米を売っているサイトなのに、味よりも価格を優先してお米を買いたい被験者さんに調査を依頼しても「高くて興味を持てない」と言われてしまいます。

そうならないよう、専門家にユーザーテストを依頼する前には、サイトやサービスのオーナーから『サイトの存在意義』のようなものを具体的に共有できるのが理想です。

誤解3:ユーザーテストの結果はサイトの作りにフィードバックする

ユーザーは、全てをネット上で解決しようとしていないかもしれません。スマートフォンを中心としたテクノロジーは日進月歩で進化しており、それに伴いユーザーのお買い物行動も変化し続けています。

若年層はすっかり楽天市場を使わなくなってきたでしょうし、検索と言ったらInstagramやTwitterなども活用されるようになりました。こうなってくると、Googleや楽天市場で検索して気になる商品が見つかったらそのまま購入するという仕組みがユーザーにとって最適ではない可能性が考えられます。

オリジナリティの高い製品であれば、いくらサイトの情報が充実していても購入前に実店舗で現物を目にしたいと思うかもしれません。もしくは、買い切りではなくレンタルのほうが満足度が高いかもしれません。

そのような、本当にユーザーの課題を解決するためのヒントが、ユーザーテストの行動の中に隠れている可能性があります。

まとめ

ユーザーテストはある特定の目的に対して効果を発揮するものではなく、使いようによってはサービスそのもの、サイト外のことなどについてもヒントを得るきっかけとなります。また、答えを知るというよりもユーザー中心の設計を考え始める出発点としての側面があります。

実際に被験者さんを呼んで行う『対面式ユーザーテスト』は実施のハードルが高いですが、最小限の手間とコストでユーザーテストが実施できるサービス(ユーザテストExpressなど)を活用するところから始めれば、更にユーザー中心に設計されたサービスになっていくと思います。