【絞り込みたいのに絞り込めない…】旅行情報サイトをスマートフォンでアイトラッキングしてみた(1/4)

パソコンやスマートフォンで利用できる、様々なサービスのユーザビリティについて、アイトラッキングを使いながら考えるコーナーです。

近年のECサイトは、コンテンツマーケティングが重要と言われています。商品の利用シーンを日々ブログに投稿したりすることで集客力が高まっているといった成功事例が、数多く記事化されています。

一方で、そもそも物販を行わずコンテンツだけで運営されているサービスも数多く存在しています。そのようなサービスは、どのようなにコンテンツを提供しているのでしょうか。何か、ECサイト運営のヒントが見つけられるかもしれません。

アイトラッキングをしながら、簡単な調査をしてみましょう。

調査内容

今回は旅行情報サイトのFind TravelRETRIPを調査してみました。

Find Travel 旅行・観光・グルメのまとめアプリ
RETRIP 旅行・おでかけ・観光の無料まとめアプリ

被験者は、30代前半男性の筆者。数年以内のスイス旅行を予定しており、時々観光情報をチェックしています。本当に個人的な情報収集をするつもりで、上記2サイトを閲覧してみました。

なお、RETRIPは時々SmartNewsで見かけますが、Find Travelは初めての利用となります。

両サイト共にiOS用アプリが存在したため、スマートフォンサイトとアプリの両方を調査してみました。

Find Travel スマートフォンサイト

まずはFind Travelです。

最初はトップページから気になる記事を一つチェックしていますが、左上のメニューから地域の絞込、右上の検索メニューからキーワードでの絞込といった具合に、メニューを活用して情報を検索しています。

『スイス』のキーワードでの検索結果を閲覧している場面では、写真も多少は見てはいるのですが、右側のテキストを読む時間がかなり多いことが分かります(自分のことなんですが、動画を見て気付きました)。

スイス自体は過去に1回旅行していて、おおよその地理が頭に入っています。次回の行き先の候補もなんとなく考えているので、『スイスのどこなのか』を気にしていた記憶があります。

Find Travel

もちろん記事一覧ページにはそこまで書いていないことがあるので、記事の中でも地名をチェックしようとしています。

視点のつながりが可視化できるゲイズプロットも見てみましょう。テキストエリアと画像エリアに注視点が分かれ、画像エリア側の一つ一つの注視点がテキストエリアと繋がっています。気になる記事タイトルがあったら画像を確認するという順番ですね。

Find Travel

しかし、途中でスイス以外の情報が記事一覧に混じっていることに気付きます。後半ではなおさら記事一覧の地名を読み取ろうとしますが流石に効率的ではないため、左上のメニューからスイスに限定した情報に絞り込もうと試みます。が、『海外からさがす>ヨーロッパ>記事をもっと絞り込む』と進んでみるも、『スイス』が見当たりません。

これ以上このサイトでスイス情報を探すのは面倒に感じ、閲覧を終了してしまいました。

RETRIP スマートフォンサイト

続いてRETRIPです。

今度は真っ先に『スイス』のページを探し、迷わず発見することができました。

記事一覧では、Find Travelと同様にテキストを中心に確認しています。RETRIPではテキストのエリアが広く、スクロールする指で隠れにくいという違いがありました。

ヒートマップを見てみましょう。視点の集中している赤いエリアが細長くなっていた先ほどのFind Travelに比べ、RETRIPでは横に広がっています。

 

RETRIP

こちらもゲイズプロットを見てみると…

 

RETRIP

やはり、画像側の注視点一つ一つがテキストエリアと繋がっています。

なお、記事によってはページが9ページに分かれていて、一覧に戻るためにブラウザの『<』ボタンを9回連続でタップする必要があり、簡単に一覧ページへ戻れたら便利かなと感じました。

Find Travel アプリ

今度はアプリを見てみましょう。両サイトとも、アプリは初めて使います。予めダウンロードしておいたアプリを、今回初めて立ち上げます。

まずはFind Travelから。

今回も地域を絞るため、右下の虫眼鏡アイコンからヨーロッパに地域を絞るところまでは問題なく操作できました。が、スマートフォンサイトと同じく『スイス』は存在しません。

仕方ないので、キーワードで検索してみました。ちゃんとスイスの情報が表示されているか確認すべく、テキストエリアばかり見ていますね。

 

Find Travel

一つの記事をチェックした後に記事一覧へ戻る際、操作ミスで『×』をタップし、検索条件がクリアされてしまいました。後で確認したのですが、記事から一覧へ戻る『<』をタップするとキーワード入力が出来る状態になり、誤って『×』ボタンを押してしまったようです。

さて、どうしてもスイス情報を知りたい私は必死にテキストエリアからスイスの情報を探しますが、スイスの情報があまり見当たりません。目線も、気になった記事の写真をチェックするのではなく、テキストエリアと写真エリアをそれぞれ見てスイスの情報を探そうとしています。

ゲイズプロットも、スマホサイトの時とは違って画像エリアとテキストエリアの注視点があまり繋がっていません。

 

 

Find Travel

今度は、スイスに隣接するドイツの情報を見てみようと考え方を切り替えてみました。ドイツも、エリアによってはスイスからのアクセスは悪くないからです。

が、そこには検索結果1件という厳しい現実が…。

途方に暮れますが、アプリのトップに戻り、さらに何とかしようと模索します。すると、ヘッダ下の横スクロールするメニュー内に『海外』を発見。そこには、丁度旅行を計画していたハワイの情報が。スイスの情報は諦めてハワイの情報を探すことにしましょう。

最初に使った虫眼鏡ボタンから北米エリアへ、そこから絞れるのはアメリカとカナダ…。いや、太平洋エリアから絞れるかもしれません。そして無事ハワイを発見。なんと島単位で指定できるんですね。

計画していたのはオアフ島なのでオアフ島を指定…あれ、2件だけ?ならばと思い『ハワイ』でキーワード検索すると、それなりの件数が出てきます。先ほどの『オアフ島』に入っていてもおかしくなさそうな記事も結構あるような…。

とはいえ、こちらはハワイの情報が絞りこまれているのは間違いなさそうです。テキストエリアを読んで時々写真を確認し、テキストを読んで写真を確認する動作を繰り返す、スマホサイトと同様の動きが見られました。

Find Travel

…といったところで、調査終了です。兎にも角にも私が絞り込みたい地域で上手く絞り込めず、スイス情報が仕入れられていません。

RETRIP アプリ

続いてRETRIPのアプリです。

最初は地域で絞り込む方法が想像できませんでしたが、スワイプ出来ることが案内されていたため、無事エリア検索からスイスに絞り込むことに成功しました。

RETRIPの記事一覧では、テキストを読んで一瞬写真を確認し、またテキストを読んで写真を確認、の繰り返しであることがゲイズプロットで分かります。どうやら、私にとってはこれがスムーズに情報をチェックできている状態のようです。

RETRIP

一部の記事には動画もあったので再生してみました。私は動画はじっくり見るタイプではなく、気になるところだけ確認したいタイプなので、通常シークバーを動かして最初から最後まで一気に確認してしまいます。

RETRIP

その他の記事も、個人的に気になるものばかりで、テキストを読み気になった記事の写真を確認しながらタップする動きを繰り返します。業務時間中であることを忘れ、いくらでも時間を割いてしまいそうです。

RETRIP

先ほどのようにハワイの情報も探してみました。一部動画を再生している場面がありますが、先程と同じく最初からシークバーを動かすつもりで画面最上部を見ています。

RETRIP

ただ、キーワードで検索する方法、エリアを絞って検索する方法などが少々わかりにくく、このあたりの画面構成はFind Travelの方が便利に感じました。

総評

今回の調査からは、以下の様なことが見えてきました。

・スマホサイト・アプリ共に比較的定番の画面構成で、操作上の支障は特にない

・ただし、RETRIPのアプリはスマホサイトよりも少し使い方に迷った

・記事一覧ではテキストを重点的にチェック、画像を時々チェックする
テキスト→テキスト→テキスト→画像→テキスト→テキスト→テキスト→画像…の繰り返し

・動画はじっくり見ない

ただし、これは私の場合であり、また記事内の閲覧の仕方については特筆すべき点が見つけられなかったので、後日追加の調査をしてみたいと思います。