【やはり絞り込みたいのに絞り込めない…】旅行情報サイトをスマートフォンでアイトラッキングしてみた(2/4)

パソコンやスマートフォンで利用できる、様々なサービスのユーザビリティについて、アイトラッキングを使いながら考えるコーナーです。

近年のECサイトは、コンテンツマーケティングが重要と言われています。商品の利用シーンを日々ブログに投稿したりすることで集客力が高まっているといった成功事例が、数多く記事化されています。

一方で、そもそも物販を行わずコンテンツだけで運営されているサービスも数多く存在しています。そのようなサービスは、どのようなにコンテンツを提供しているのでしょうか。何か、ECサイト運営のヒントが見つけられるかもしれません。

1回目である前回は筆者である私自身が被験者となりましたが、2回目の今回は別の方でアイトラッキングをしてみました。

調査内容

今回は旅行情報サイトのFind TravelRETRIPを調査してみました。前回はスマホサイトとアプリの両方をチェックしましたが、提供されているコンテンツはほぼ同じだと思いますので、今回はアプリのみです。

Find Travel 旅行・観光・グルメのまとめアプリ
RETRIP 旅行・おでかけ・観光の無料まとめアプリ

被験者は、新卒1年目の20代前半女性。なお、両アプリとも利用は初めてのようです。

隙間時間にちょっと眺めてみるようなシチュエーションを想定しました。旅行へ行きたいと思っている場所の情報をチェックしてくださいとお願いし、10分程度自由に触ってもらいました。

Find Travel

最初はトップページから美味しそうな写真を見つけ記事を読みましたが、地域を絞りたく検索メニューへ。

聞くとロンドンへ行きたいとのことですが、ロンドンに絞り込む方法が変わらず探せずしばらく苦戦します。『イギリス>イングランド』まで絞り込むことに成功しましたが、その先の選択肢は『バーミンガム』だけで、しかも記事は準備中の表示(!)。

Find Travel

詳細なエリアの絞りこみ方法をすぐに見つけられない、見つけても目的のエリアが無い、親しいところで絞り込んでも記事がない、のトリプルパンチが効いたようです。

その表示を見てロンドンは諦めて、続いて『北米』の記事を検索。ニューヨークへも行きたいそうですが、北米というくくりで記事を眺めます。

しかし、やはり知りたい情報はロンドン。メニューを触っていると、念願のキーワード検索の機能を発見!…でもロンドン以外の情報が沢山混じってる?

Find Travel

読んでいた記事の下部にあった関連リンクをタップすると「ことりっぷ」のページヘ…といったところで約10分が経過。この時間の中では、あまり満足に情報収集できなかったようです。

RETRIP

初回の起動ということでところどころ扱いづらそうな場面はありますが、キーワード検索はすぐに見つけることが出来ました。

 

RETRIP

今度は、キーワードに合った記事がちゃんと絞りこまれているようです。思い通りにならないことで翻弄されることがなく、記事を読む時間が長めでした。関連記事も確認しています。

RETRIP

全体を通して、問題なく情報を収集できたことが分かります。アプリとしては非常に良いことだと思いますが、あまりにスムーズすぎて私としては特筆することが無くなってしまいました…。

ゲイズプロット比較

…と、これだけではRETRIPのアプリは使いやすいというだけで終わってしまいますので、ゲイズプロットを見てみましょう。

まずはFind Travelの記事一覧ページのゲイズプロットです。写真側の注視点とテキスト側の注視点が横の線で繋がる様子が見て取れます。

Find Travel

続いてRETRIPの記事一覧ページのゲイズプロットです。写真とテキストの間に視点が集まっています。

RETRIP

比べてみると、見ている範囲が大きく違いますね。これは、写真を大きく見せたいか、テキストを読ませたいかの狙いの違いでしょう。ただ、前回と今回いずれもテキスト側を主に確認する傾向がありました。

写真のサイズはかなり違うように見えますが、操作していた本人からは写真の小ささに対するコメントは特にありませんでした。

総評

被験者本人の印象としては、RETRIPは写真が多く、また場所も分かりやすかったとのことでした。残念ながら、Find Travelは1回で使うのをやめてしまうだろう、とも…。

また、前回・今回ともに、Find Travelでは目的地の情報が上手く探せず記事をじっくりと読むシーンが少なくなってしまいましたので、3回目ではもう少し旅行者の多そうな地域を探してもらいましょう。

余談ですが、今回テストに使用したiPhone 5cでは操作に画面の動作が追いつかない場面が見られました。ある記事では、iPhone 5s・5c・5といった1〜2世代ほど前の機種を使うユーザは2016年3月の段階で2〜3割は存在していると紹介されていました。

古めの機種でもユーザの体験を損ねてしまわないようなアプリの設計が、より幅広い層に愛用してもらうためには必要かもしれません。