【総評】コンテンツマーケティングのヒントに旅行情報サイトをスマートフォンでアイトラッキングしてみた(4/4)

パソコンやスマートフォンで利用できる、様々なサービスのユーザビリティについて、アイトラッキングを使いながら考えるコーナーです。

近年のECサイトは、コンテンツマーケティングが重要と言われています。商品の利用シーンを日々ブログに投稿したりすることで集客力が高まっているといった成功事例が、数多く記事化されています。

一方で、そもそも物販を行わずコンテンツだけで運営されているサービスも数多く存在しています。そのようなサービスは、どのようなにコンテンツを提供しているのでしょうか。何か、ECサイト運営のヒントが見つけられるかもしれません。

3回にわたり、旅行情報サイトのFind TravelRETRIPをアイトラッキングしながら調査してみましたが、今回はまとめです。

Find Travel 旅行・観光・グルメのまとめアプリ
RETRIP 旅行・おでかけ・観光の無料まとめアプリ

※1回目の調査ではスマートフォンサイトも調査していますが、2回目と3回目はアプリのみの調査となっているので、スマートフォンサイトは総評から除きます。

インパクト分析

まずは、調査している中で直面した問題点を、『発生頻度』『それによる影響度の大きさ(質)』の2軸で分類してみます。この方法をインパクト分析といいます。

左上に書かれた問題ほど、頻繁に発生し目的を達成できない大きな問題となります。逆に、右下のものほど、発生頻度は低く発生しても目的を達成できないほどではない軽微な問題となります。

つまり、より左上にある問題ほどユーザを離脱させてしまう原因となります。

その観点で上記のインパクト分析表を見てみると、Find Travelの方がユーザにとって使いにくいサービスのように見えますが、左上にある下記3つの問題が記事を発見できるかどうかの問題であるのに対し、それ以外は全てアプリの使い勝手の問題となっています。

・記事数が極端に少ないページがある
・絞り込みたいエリアが無い
・キーワードの検索の精度に不満

RETRIPには、上記のような左上に来てしまう問題は無いのですが、右下に来るアプリの使い勝手に関わる問題の数が多く、操作に戸惑う可能性が高そうです。

極端に言えば、
・Find Travelは、記事を充実することで大部分の問題が解決できる
・RETRIPは、アプリの使い勝手を高めることで隙のないサービスとなる
このような事が読み取れます。

1点注意が必要なのは、3回目の調査で事後ヒヤリングした際に「Find Travelの記事が宣伝目的に見える」というコメントがありました。このことから、記事数と同時に質も求められることが分かります。

記事の見せ方

次は、記事の見せ方についてです。それぞれの記事一覧ページと、記事ページです。

└左側…Find Travel、右側…RETRIP

いずれも、記事一覧ページは『左に写真+右にテキスト』、記事ページは『横幅いっぱいのほぼ無加工写真+間にテキスト』という構成です。コンテンツが主体のサービスでは、当然ユーザは多くのコンテンツを読むことになると思いますが、快適に記事を読んでもらうことを考えていくとこのレイアウトが最適ということなのかもしれません。

実際に、アイトラッキングを行った動画を確認してみると、記事一覧ページも記事ページも、上から少しずつ読み進めることができているのが分かります。


合間にバナーが挟まったり、突然レイアウトの異なるエリアが現れたりせず、終始同じレイアウトで一貫していることが分かります。目的の記事を探しやすく、また目的の記事を読みやすいレイアウトが実現できているように感じられます。

ECサイトのコンテンツも『充実+シンプル』を

今回の調査内容から、ECサイトでコンテンツマーケティングを行う際に参考にできそうなことは、以下のようなところでしょう。

・ショップを利用するユーザが求めそうなコンテンツを充実する
⇒そうしなければよりコンテンツが充実したサイトに流れていってしまう

・宣伝のためのコンテンツと思われないような記事の内容の工夫
⇒宣伝目的に見える記事は好まれない

・探しやすさと読みやすさを重視したレイアウト
⇒余計なストレスを与えず、ちゃんと記事を読んで商品のことを知ってもらう

今回はコンテンツそのものが主体のサービスを調査しましたが、コンテンツを充実することによって本来のビジネス(物販や接客業など)への集客に成功している事例の調査も、どこかで実施してみたいと思います。

今回のFind TravelRETRIPの調査動画をまだご覧でない方はこちらから。